- 民間試験に対して、九大や鹿大など各大学の対応はどうなっていますか。
- 国立大学それぞれ動きがちがいます。
そこで、主な大学の2021年入学者選抜のサイトを見てまとめてみました。
民間試験(英検などの8種類の試験)をどのように利用するかは大学にまかされていて、民間試験の成績を提出しなくていい大学もあります。受けたい大学が民間試験をどういうふうに入試の合否判定に使うかが一番のポイントとなります。そこで、清風予備校は、鹿児島の受験生の多くが志望する主な大学をピックアップして、2019年5月10日現在までに各大学のホームページで確認できた情報をまとめました。
主な大学の発表の要約
※ほとんどの大学は発表した資料において、8種類の民間試験のことを「認定試験」とよんでいますが、ここでは「民間試験」とよびます。
国立大学
義務付けないで一部利用
東大は出願の条件として(1)または(2)のいずれかを提出としています。民間試験を出願条件の選択肢にはするが、合否の選考には使わないとのことです。
(1)民間英語試験の成績がCEFR との対照表で A2 以上 。
(2)CEFR の A2 レベル以上に相当する英語力があると認められることが明記されている調査書等、高等学校による証明書類。
(3)何らかの理由で上記(1)(2)のいずれも提出できない者は、その事情を明記した理由書。
この発表をみると、民間試験を受けたなら、それを使って出願もできるし、使わないなら高校が調査書を書いてくれればいいとのことですね。さらに、その両方が難しい場合の配慮もされています。
義務付けないで一部利用
京大は民間試験を必須としないと発表しました。いちおう、CEFRでA2レベルを出願資格にしていますが、その確認方法としては2つの方法が提示されています。
(1)英語民間試験の成績がCEFRとの対照表でA2レベル以上
(2)在学するまたは卒業した高校の校長がCEFRのA2以上の能力があると認める書類
つまり、東大と同じく高校がA2以上の能力があると認めた場合は民間試験を受験しなくてもよいということになります。また、医学上の配慮もしていて、「出願者が、大学入学共通テストの外国語のうち英語のリスニングの免除を受けることを示す書類の写し、または出願者が医学上の理由により認定試験を受検することができない旨を記載した医師の診断書を提出する場合は、この言語運用能力の確認を受ける必要はありません」。としています。
義務付けし、出願資格とする
九大は民間試験の成績がCEFRのA2以上を出願資格としています。ただし、「認定試験の利用には、公平・公正の観点等から未解決な課題が多くあるため、利用初年度となる2021年度一般選抜において、上記の出願資格を満たさない志願者にあっては、その事情を明記した理由書を提出し、やむを得ない理由であると判断できる場合は出願を認める」としています。どんな理由がやむを得ない理由と判断されるのかがはっきりとしませんが、身体的(病気,けが,障がいなど)、経済的理由などが考えられますね。A2レベルは英検で言うと準2級レベルなので、九大を目指す受験生ならばそれほど難しくないレベルと思いますが、民間試験導入の問題点を認識しているのであれば、未解決な課題がある程度解消するまで、東大のように民間試験以外のアプローチを考えるか、鹿大のように積極的に割り切っても良い気はします。とにかく文科省の政策や大学の独自性、多様性の打ち出し方が受験生の不利・不公平にならないのが一番です。
義務付けしないが、加点・換算点で利用
民間試験を必須としませんが、鹿大は国立大学のなかでいち早く2017年度入試より英語民間試験の入試活用を始めた大学です。しかも全学部でです。英検以外にも多くの民間試験の級やスコアに応じて、センター試験の英語をみなし満点とするなど活用してきました。共通テストに変わってもその方針は引き継ぐ形です。たとえば、英検準1級なら共通テストの英語が満点とみなされます。お金はかかりますが、民間試験で高得点を狙う活用もできますよね。ただし、民間テストで良いスコアや級をとっても、共通テストが悪ければ、満点扱いにはならないようです。民間試験を受けずに共通テスト一本で勝負することもできます。
義務付けするが合否判定には使わない。
熊大は、昨年の発表では民間試験の受験を必須とし、その結果については、CEFRのA1以上を出願資格とし、共通テストの「英語」の成績に加点を行うとしていました。しかし、今年3月下旬の発表で、すべての学部において加点は行わないとしました。また、障害を有するなどの事情により民間試験を受検できない志願者への配慮も記してあります。熊大をはじめ、横浜国大、福岡教育大など、国立大学の10校以上がA1というCEFRでは最も低いレベル(中学卒業程度に相当)を出願資格としていますが、それは、数学や国語が得意で従来なら合格点に達していた学生が、英語が苦手という理由だけで受験そのものができなくなることを大学側が懸念したためだと思います。民間試験の利用が志願者の門戸を狭めてしまうことを考慮する大学が増えて、義務付けない方向にまで動き出せば、民間試験を受検せず、共通テストの英語だけで勝負という選択もできる受験生が増えることになりますね。
義務付ける。加点・換算で利用を検討中
民間試験の受験を必須としています。ただ、民間試験の結果については,CEFR 対照表に基づき,(1)ある一定水準以上を出願資格とする方式、(2)共通テストの英語試験の得点に加点する方式,(3)これらを組み合わせる方式のいずれかとするとあります。この3つの利用法は、国立大学協会が国立大学に民間試験の活用法の要望を示した選択肢であり、宮崎大学の具体的な利用法がみえてきません。おそらく民間試験を出願資格だけにとどめるか、さらにふみこんで、加点するか、まだ検討中という意味なのかもしれません。(1)の一定基準(CEFRのA1とかA2など)は公表されていないようです。
義務付けし、加点・換算で利用
全受験者(AOや推薦の一部をのぞく)に民間試験を課すとしています。CEFRのA2以上を出願条件としています。また、CEFRの水準に応じて共通テストの英語に加点するとしています。さらに学部・学科それぞれの個別学力検査(2次試験)において、CEFRの水準に応じて加点する場合があるとしています。A2は出願条件なので加点はありませんがB1/B2/C1のそれぞれでどの程度の加点になるかは今後の発表待ちです。
義務付けし、出願条件とする
福教大は民間試験を義務付け、CEFRのA1以上を出願条件としています。A1なので英検では3級から準2級といったところです。地方の国立大学ではポピュラーな活用法で、ハードルをあげず間口を広げる方針でしょう。ただ、A1を義務付けるより、英語力のある学生を欲しい教育学部の英語科などでは、民間試験の別の活用法か、義務付けず大学独自の2次試験で英語力を見極める方法もあるのかなと思います。
義務付けかどうか未定だが、加点・換算で利用
英語の4技能を評価するため,すべての入学試験において民間試験を利用するとあります。民間試験に対して大学独自の得点換算表を作成し,共通テストを課す試験では,換算表に基づき,英語の得点に加点し、推薦型など一部の共通テストを課さない試験では,換算表に基づき総合点の中で評価するとあります。出願資格として民間試験の受験を必須とするどうかを大学の入試係に問い合わせたところ、現段階では未定だが、近日中にHPで公表するとのことでした。
義務付けし、出願資格とする
受験者全員(AOや推薦をのぞく)に民間試験を課すとともに、その成績は、本学への出願要件として活用し、出願要件の基準は、CEFRのA2レベル以上とするとしています。特別な事情により民間試験を受検できない場合の取扱いは、本学への受験の機会を狭めることのないよう、現在、検討中で決定次第お知らせするとのことです。また、総合型選抜(現AO入試)、学校推薦型選抜(現推薦入試)では民間試験の扱いが学部ごとに細かく設定されているので注意が必要です。
義務付けないで一部利用
名大は、全受験者(AOや推薦をのぞく)にCEFR対照表のA2レベル以上に相当する英語力を出願資格として求めるとしていますが、A2レベル以上であることは,民間試験の成績又は高校の調査書等の記載を利用して確認するとのことです。東大や京大と同じA2レベルを出願資格として、その証明は英語の民間試験でもよいし、高校の調査書の記載でもよいということですね。
義務付けないで合否判定にも使用しない。
「民間試験の活用について 本学は、国立大学協会が2018年3月に発表したガイドラインに記された、英語4技能(読む・書く・聞く・話す)の総合的評価を重視するという趣旨を理解し、民間試験の結果を出願資格とするというガイドラインに沿う方向で検討しています。ただし、受験生の公正な受験条件の確保に関して、特に、民間試験の受験料負担や受験機会の公平性、障害のある受験生への配慮等について、より詳細な検討を要すると考えます。また、その他にも、受験生に求められる英語4技能とそれぞれの民間試験の目的や評価基準の相異等との関係、英語力(特に話す力)の有意義な判定方法等について、より詳細な検討を要すると考えます。 このような次第から、本学は民間試験を受験することが望ましいとは考えるものの、その活用に関しては、以下のように取り扱うこととします。
1)2021年1月の試験においては、民間試験の受験を出願の要件とはしません。
2)民間試験の活用につき、さらなる検討に努め、2019年12月までに、2021年 1月実施以降の入試における民間試験の活用方針を決定します。」とあります。発表の内容からは民間試験の活用法に一石を投じてくれる可能性も感じます。
義務付けないで合否判定にも使用しない。
大学の発表の趣旨は以下の通り。
①本学では英語4技能の修得を重視しており,受験に当たってはCEFR における A2レベル以上の能力を備えていることが望ましいことを出願基準とします。
②ただし,この出願基準は出願に当たって民間試験の受検とその結果の提出を求めるものではありません。本学は民間試験の受検とCEFRのA2レベルの成績を志願者全員に求める「出願要件」とはしません。また民間試験の成績をCEFR対照表に基づいて点数化することも、これを合否判定に用いることもしません。2021年1月に導入予定の民間試験については,公平公正な受検体制の整備や成績評価などに関しこれまでに様々な問題が指摘されております。現時点ではこれらの問題が解決する見通しが立っていないと認識しています。また、本学が実施した高校調査でも民間試験を受験生に一律に課すことに対し、賛成が 8%と少数であり、高校においても十分準備が整っていないと理解されます。このような状況において,本学志願者に対し出願要件として民間試験の受検を一律に課すことや成績を合否判定に用いることには無理があり,逆に受験生の公平公正な扱いを損ねる恐れがあると判断しました。
以上が公表された内容です。東北大は東北地方の高校の先生にアンケートを取ったんですね。こういうのも高大接続の一つかもしれませんね。
義務付けないで一部利用
今年3月に一橋大学が発表した資料によると、英語の民間試験を義務付けずに、出願要件の一つとして活用するようです。一般選抜(AOや推薦を除く入試)について,以下の(1)~(3)のうちいずれか1つを出願要件するとあります。
(1)民間試験の成績が CEFRのA2以上であること。
(2)CEFRのA2レベル以上に相当する英語力があることを明記した高校による証明書が提出されること。
(3)何らかの理由で上記(1)と(2)のいずれも提出できない場合は,その理由を明記した書類が提出されること。
上記(2)の証明書及び(3)の理由書は,本学の指定する様式に記入して提出していただきます。その様式と内容については,今後検討の上,できるだけ速やかに公表します。なお,令和2年度よりも前の既卒業学生については,(1)ないし(3)が適用され,(2)は適用されません。
難関大学だけに既卒生のことにもふれていますね。共通テスト初年度では浪人生は高校の証明書が使えないことになりますが、理由書があれば高校生との不公平はさけられそうです。たとえば、民間試験に申し込んでいた人が、当日インフルエンザにかかって受検できなかったなどの場合は出願を認められるということですよね。
義務付けし、個別学力検査(2次試験)の英語に加点
東工大は、共通テストの枠組みにおいて新たに実施される英語の民間試験については、前期・後期日程試験、推薦入試、AO入試の出願資格として利用するとしています。出願資格としては、CEFRのA2以上を予定。また、個別学力検査(2次試験)の前期日程において、英語の配点は現行通り150点とするが、その内訳は筆記試験120点、民間試験30点とするとしています。30点のうち、どのくらいの加点となるか、たとえば英検で準1級なら30点、2級なら20点、準2級なら10点というような具体的な加点方法は今後決定するとしています。
義務付けし、出願資格とする
東京外大の民間試験利用の方針は以下の通りです。
1.大学入試センター が認定した英語4技能の民間試験の結果を出願要件として利用します。出願要件は CEFRのA2以上を取得していることとします。
2.すでに一部の学部で実施していたスピーキングテストを2021年度入試より全学に拡大いたします。すなわち、2021年度より言語文化学部・国際社会学部・国際日本学部の一般選抜試験 (前期日程)「英語」において、従来のリーディング、ライティング、リスニングの能力を測る筆記試験に加え、スピーキングテストを実施します。詳細は後日、発表いたします。
以上が発表内容の要約ですが、結局、大学独自の2次試験でもスピーキングテストを実施するということですね。であれば、民間テストは不要の気もします。
義務付けないで一部利用
発表した資料によると、今の高3生が浪人した場合を考慮して、高校側が証明書関係を今年度中に準備できれば、1浪した生徒も民間試験以外の選択肢をもてるということですね。大学の資料の内容は以下の通りです。
「共通テストにおいて民間試験を課します。その成績は、本学への出願資格として活用します。具体的な基準CEFRのA2以上とします。ただし、志願者が、在学するまたは卒業した高校等の校長がCEFRのA2以上に相当する英語力があると明記した証明書を提出する場合は、その書類の記載内容によって確認します。」
未定
「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を適切に評価するため、民間試験の結果と共通テストの英語試験の双方を利用した入学者選抜を実施し、民間試験の具体的な活用方法については後日公表するとした内容が昨年の7月に発表されましたが、それ以来、現在(2019年5月)まで具体的な情報公開はHP上に見あたりません。
義務付けし、出願資格とするが合否判定に使用しない。
共通テストにおける英語の民間試験の活用について農工大の発表では、
①一般入試では、民間試験においてCEFRのA2以上を取得していることを出願資格とします。
② 何らかの理由で民間試験を受験できず、上記①の出願資格を満たしていることを証明できない者は、その事情を明記した理由書の提出を求めます。
③ 上記①および②は、本学が受理した後の合否判定資料としては用いません。
とあります。②については理由書という対応があることで安心できる反面、受験生としては理由書の作成には気をつかいそうです。
義務付けしない
音楽学部において、民間試験は義務付けない。ただし、現行の「みなし満点」は継続して実施するとありますので、共通テストでも民間試験を利用して、基準を超えたら満点換算ということになるでしょう。その基準は後日発表とあります。
義務付けし、出願資格とする
共通テスト、個別学力検査(2次試験)、推薦型入試のすべてにおいて、英語の民間試験の得点は、一定水準以上の得点を出願資格として活用するとしていて、出願資格の具体的な点数は今後公表するとしています。大学が発表した資料において共通テストと個別学力検査のそれぞれの項目で民間試験の得点を出願資格として活用すると書かれていますが、共通テストと個別学力検査でちがう水準になることは考えにくいです。
義務付けし、出願資格とする。
全ての受験生(AOや推薦をのぞく)に民間試験の受検を課し、CEFRのA2以上を取得していることを出願資格としています。ただし、目的や内容の異なる複数の民間試験の結果を統一の基準で公平・公正に点数化することは現状では難しいと考えるため、加点対象としないと公表しています。なお、民間試験の実施状況や経済的負担などのやむを得ない理由で、認定試験を受検できず出願資格を証明することができない場合には、その理由を申し出ることとありますが、経済的負担で受検できない場合、それを証明する公的書類がいるかどうかなど、現時点では不明です。
義務付けし、出願資格とする。学部によっては加点などで利用
共通テストにおける民間試験の成績利用について、学部ごとにかなり細かい対応をとっていますが、民間試験の受検が難しい人への配慮は未発表です。一般選抜(AOや推薦以外の入試)における各学部の民間試験の活用方法は次のとおりです。
① 教育学部:CEFRのA1以上を出願資格とし、A1は英語の配点全体の10%に相当する点数、A2以上は20%の点数を共通テストの英語の得点に加点します。
② 経済学部:CEFRのA2 以上を出願資格とします。
③ 経営学部:CEFRのA1 以上を出願資格とします。
④ 理工学部:CEFR のA1 以上を出願資格とします。
⑤ 都市科学部:CEFRのA1 以上を出願資格とします。 さらに、都市社会共生学科は、A2 は英語の配点全体の4%にあたる点数、B1は8%、B2は12%、C1は16%、C2は20%にあたる点数を共通テストの英語の得点に加点とありますが、推薦などでも民間試験を必須とする学部学科が多いので志望者は要確認です。
義務付けしないが、加点・換算で利用
筑波大学は共通テストの英語の配点を200点とし、共通テストの英語の成績に民間試験の結果を加点するとあります。CEFRのレベルごとに最大20点を加点。加点はCEFRのC2が20点、C1が10点、B2が5点とし、B1以下は加点しないとあります。また、加点の結果200点を超える場合には、すべて200点扱いとするとあるので、たとえ共通テストで195点、民間試験でCEFRのC1で10点分が加点されても205点とはならず、200点になるんですね。「出願資格」というワードは見あたらず、CEFRのレベルも高いことから、民間試験は義務付けないで、相当英語力のある学生には特典を進呈というところでしょうか。もちろん、C2やC1を取る学生は共通テストでもおそらく190点以上はとれると思われるので、実質、共通テストで勝負ですね。
義務付けし、出願資格とする。
共通テストにおける民間試験成績利用についてCEFRのA2以上を一般選抜(AOや推薦をのぞく入試)における出願資格としています。ただし、やむを得ない事情(非課税世帯であるなど経済的に困難な場合,離島・へき地に居住・通学する場合,病気等により受験できなかった場合等が該当)により2020年4月から12月の間に民間試験を受検できなかった者は,2018年4月以降に受検した結果を利用できるとし、また、障害がある等,特別に配慮すべきと認められる者については,不利益が生じないように配慮するとあります。
義務付けし、出願資格とする。
一般選抜(AO・推薦を除く入試)では、共通テストにおける英語民間験の成績を本学への出願要件として活用し、出願要件の基準はCEFRのA2以上とするとあります。なお、民間試験を受検できなかった方への対応については、決定し次第、公表するそうです。
義務付けし、加点などで利用
広大は全受験者(AO・推薦をのぞく)に民間試験を課すとしていて、もし、何らかの理由で民間試験を受検できなかった者については個別に対応するとしています。民間試験の成績の活用については、大学が定める基準を超えていれば、共通テストの英語の得点を満点とみなすが、民間試験の成績は「みなし満点」の判断にのみに用い、その成績だけで入試の合否判定に用いることはしないとしています。基準はCEFRのB2以上となる見込み。B2は現行の英検では準1級以上に相当する高いレベル。たとえば英検で準1級に不合格したような場合は、民間試験の結果は加味されずに共通テストの点数のみで合否が判定されることになるでしょうね。まさか、出願できないということではないでしょう。英検などの民間事業者が受験生の成績を大学に伝える新しい「英語成績提供システム」によって受験履歴を確認できれば、出願資格はクリアする流れなのかもしれません。
義務付けするが合否判定には使わない
一般選抜において英語の民間試験は合否判定には利用しませんが、民間試験の結果を提出を求めます。ただし、やむを得ない理由で民間試験の結果を提出できない者には理由書の提出を求め、本学が正当な理由と判断した場合には、一般選抜への出願を認めるとあります。岡山大学も、九大などと同様、民間試験導入の問題点を認識し、その詳細をHPに記載しています。例を挙げると、民間試験とCEFRの換算の正当性などをはじめ、試験実施に必要な器具の準備状況、高校側から指摘される学習指導要領と検定対策の整合性などの懸念等です。しかし、英語 4 技能が重要であることから救済措置をとりつつ民間試験の義務付けとなったようです。民間試験の結果がCEFRのA1なのかA2なのかはまだ不明です。
義務付けし、加点などで利用
共通テストにおける「一般選抜」等の入試において民間試験を利用し、その成績をCEFR 対照表を基に点数化するとあります。共通テストの英語の配点については,人文学部は120点中20点、工学部は200点中20点、医学部医学科は200点中40点など学部学科ごとに決まっています。ただ、CEFRのレベルごとにどれだけの加点になるかは不明です。また、発表された資料に、「真にやむをえない事情によって民間試験が受検できなかった者については,CEFR対照表のA1相当として,受験を認める場合がある」としていますが、真にやむをえない事情という表現は逆にあいまいですね。山口大学は民間試験を点数化して活用するので、一番低いランクのA1は一番少ない加点ということになります。
学部学科ごとの配点は大学HPの「2021年一般選抜における共通テスト利用教科・科目等一覧」を確認してください。
義務付けし、加点などで利用
2018年9月の発表では、民間試験を一般選抜の全受験生に課し、その結果は、CEFRとの対照表に基づき、共通テストの英語の得点に加点する方法を採用するとあります。ただし、加点に際しては、CEFRの段階に対して係数を設定し、共通テストの英語の得点に各係数を乗じたものを加算するとあります。係数はわかりませんが、たとえば、共通テストの英語が140点、CEFRがB1だとして、その係数を20%とすると、28点が加算されて168点となるということでしょうか。
義務付けず、加点して利用(医学科は義務付けし加点で利用)
「民間試験の受検を必須とし、その結果については、CEFRとの対照表に基づいて活用します。医学科は出願資格とするとともに、一定の水準に応じて共通テストの英語の成績に加点を行います。その他の学部等においては、一定の水準に応じ共通テストの英語の成績に加点を行います。具体的な出願資格、加点の方法等については今後公表する予定です。」としていますが、2019年5月現在、一定の水準がどの水準なのか、加点はどうなるのかなど、具体的なことは発表されていないようです。
義務付けし、加点などで利用(医学科は義務付けし、出願資格とする)
「共通テストにおいて民間試験を課し、共通テストの英語試験の得点に加点する方法を採用します。加点する点数について CEFRの水準ごとに定め,民間試験の点数の割合が全体の1割程度となるようにします。 加点する点数及び CEFRの水準ごとの点数等の具体的な数値は,共通テストの英語の「筆記(リーディング)」「リスニング」の最終的な配点等が大学入試センターから公表された後に定め,公表します。加点する配点を含めた合計点は合否判定に利用します。医学部医学科においては,英語認定試験を出願資格として活用します。CEFRによる対照表に基づき,A2以上を出願資格とします」。以上が昨年9月時点の発表内容ですが、医学科は加点せず、合否判定に利用しないということですね。
義務付けするが合否判定には使わない
全学部(一部の推薦入試をのぞく)において共通テストの英語に加え、民間試験
を課します。ただし、共通テストで英語以外の外国語を選択する場合、民間試験は課しません。活用方法は、CEFRの対照表により受検者が取得した段階を出願資格とするとあります。その段階(レベル)は医学部医学科でA2、それ以外の学部学科はA1以上としています。文科省の方針に沿いつつ、実質、中学卒業程度の英語力を出願資格とし、英語が苦手な生徒を門前払いしないように配慮した形ですね。
義務付けするが合否判定には使わない
「共通テスト」を利用するすべての選抜において、大学入試英語成績提供システムの成績を活用し、原則として,国が示すCEFR対照表においてA1以上であることを出願資格とする。ただし,この取り扱いは,共通テストの教科「外国語」の出題科目のうち「英語」を選択する志願者に限る。以上、高知大学が英語の4技能評価について公表した内容です。四国4県の民間試験の活用はほぼ同じですね。
義務付けするが合否判定には使わない
英語の4技能評価について 一般選抜の大学入学共通テストの外国語受験(英語選択受験)の全志願者に CEFR 対照表に示すレベルに相当する英語力を出願資格として求め、そのレベルは,民間試験の成績を利用して確認するとあります。 A1レベル以上が、教育学部,法学部,経済学部,医学部看護学科,医学部臨床心理学科, 創造工学部,農学部。A2レベル以上が医学部医学科としています。
義務付けするが合否判定には使わない
共通テストで民間試験を活用し(ただし、共通テストの「外国語」で出題科目『英語』を選択した場合のみに適用します)、CEFRのA2以上(医学部医学科、歯学部歯学科、薬学部薬学科・創製薬科学科),またはA1以上(前述の学部学科以外)のいずれかを出願資格とするとあります。また、一般選抜の前期においては選考A、選考Bという方式を設け、選考Bでは調査書を重視することになりそうです。
公立大学
義務付けし、加点などで利用
共通テストにおける民間試験の導入に伴い、個別学力検査「外国語」の試験を廃止する方針をとった首都大学東京。発表によると、共通テストの点数で第1次選抜(いわゆる足切り)を学部学科別に行い、その募集人員の約6倍(健康福祉学部は5倍)を合格者数とする。そして、第1次選抜の合格者に対し、第2次選抜を行う。民間試験のスコアはこの第2次選抜で活用し、CEFRとの対照表のレベルをベースに配点を行うとしています。ということは、従来の個別学力検査(2次試験)の英語がそっくり民間試験にとってかわるということです。民間試験を出願要件としない東大や京大しか受験する可能性はないという人なら別ですが、多くの人は民間試験を受けておくしかなさそうなので、首都大の活用法は受験生の負担が軽くなるという見方もできます。大学の具体的な配点は、遅くとも 2021 年度入学者選抜要項(2020 年7月発行予定)にて公表するとあります。
義務付けするかどうか未定
共通テストにおける英語の試験と民間試験の両方を課すとありますが、民間試験の具体的な活用方法(出願資格としてだけ利用するのか、加点まで利用するのかなど)については、決定次第公表するとのことです。2019年5月2日現在、HPなどでの公表はまだのようです。
義務付けしないが、共通テストと比べて高得点の方を合否判定に用いる。
英語の取り扱いについて神戸市外大は、共通テストと民間試験の両方を受験し、両者の結果と比較して高得点のものを選抜に利用するとあります。ただし、民間試験を受験できない受験生については、共通テストのみでの受験を認めるとのことです。民間試験については、独自の換算方法を用いて得点化し、共通テストと比較できるようにするそうですが、独自の方法といっているので、CEFRのB1で170点、B2なら190点のような設定ではなく、より細かい換算点を設定するのではないでしょうか。その換算方法はまだ公表されていませんし、公表するかどうかにもふれていません。
義務付けするかどうかは未定
2019年の3月時点で「大学入試センターが認定した全ての民間試験を対象とし、共通テスト英語の得点と合わせて活用します」。とあるだけで、詳しい情報はまだ公表されていないようです。民間試験の活用はするとのことですが、それが出願資格なのか、加点まで利用するのかなど詳細は発表されていません。(2019年5月2日現在)
すべての英語資格に関し、出願期間最終日までの過去2年以内に取得したスコアを採用します。なお、2021年度入試(2021年4月)以降の一般選抜試験(A日程、B日程、C日程)については、大学入試センターを通じて提出された英語資格・認定試験のスコアのみを採用します。